【大人男性向け恋愛漫画おすすめ5選】エロスじゃない作品集

男性向け恋愛漫画といえば、もはやエッチなシーンは定番である。
しかし、今回紹介するものは驚くほどにエロさはない5作だ。

おいおいエロなしで大人向けと言えるのかよ？との声も聞こえてきそうだが、答えは「YES」だ。

かれこれ恋愛ジャンルは1,000冊以上読んできたと思うが、時間を忘れるほど、どんなに忙しくても読む、いや自然と読み進めてしまうもの…。

それらに共通していることは、決してエロに頼ることなく、ストーリーや切り口で惹きつけている。

それでは、エロというアルテマウェポンを放棄し、作者の脳汗が染み込んだ至極の5作を紹介させてもらう。

大人男性におすすめする恋愛漫画
【最新】2021年連載中の5作を厳選

コンドームが紡ぐピュアストーリー
【あそこではたらくムスブさん】

ここはあらゆるゴムを製造している大きな会社、その中で主人公「結さん」が担当してるのは「コンドーム研究開発」だ。

仕事熱心な彼女は、往復6時間の通勤を気にもとめず、コンドーム開発に命をかけている。

そんなド真面目な結さんに恋をしているのが新入社員の「砂上」
好きな人が真面目にコンドームの開発をしているという、新感覚ラブコメだ。

なんといっても、結さんが素で下ネタを放り込んでくる感じが非常にコミカルなのだ。

例えば、カリが大きい方でもフィット感を実現する商品名を募集するシーンでは、真顔で「そうですね…カリブト君なんてどうでしょう？」とか普通に言ってくるから、爆笑してしまう。

想像してみてほしい、好きな人に社内でいきなりコンドームを渡されて「よかったら使ってみてください、感想もきかせてくださいね」と言われたピュア男の心情を…。

嬉しいやら悲しいやら、ニヤけていいものか、マジで答えるべきなのか、自分の中の悪魔天使が乱高下する様を、ぜひ砂上の立場になって読んでみてほしい。

またコンドームの製造工程なども、詳細に描かれているので知識としても勉強になり、まさに大人向けの恋愛作品といえるだろう。

現代の闇を切り取ったVR恋愛
【明日、私は誰かのカノジョ】

流麗な長い黒髪、透き通るような白い肌、モデルのように華奢な身体、どこか儚げな彼女は、誰もが見惚れる美女である。

いや、美女を演じているのだ。

彼女の素顔は、右顔面から肩にかけて大火傷をしており、化粧をして別人になりきっている。
仕事は彼女代行、自分が満たされていないからこそ、相手の求めていることが手に取るようにわかってしまうため、店の看板娘として勤しむ。

普段は大学生をしており、このバイトのことは誰にも打ち明けていない。

本作は、主人公以外のストーリーにもかなり比重をおいており、個人的にはそちらの方が好み。
男依存のリアル、痛すぎる親父たち、ホスト狂いの女、ジェンダーレス男子、整形依存など、様々な題材を扱っていて、読み手を飽きさせない。

「猫に小判、豚に真珠、豚にデパコス（デパートコスメ）」ってパワーワードは、一度聞いたら頭から離れなくなる…。
女性たちの反応や心理描写が妙にリアルで、笑いあり、アングラ感ありとなかなかに面白い。

絵柄も男性向きだし、少女漫画のようなキラキラ感は一切ないので、野郎が勘違いをしないためにも一読の価値ありだ。

バーテンダーのほろ苦い恋
【おやすみカラスまた来てね。】

「働かない奴は男として認めない!」
年上彼女のヒモとして甘えていた男は、突然の別れを告げられた…。

フラれたショックで夜の街をさまよう中、古びた雑居ビルの一角にあったバー（一白玆）でシメることに。
そこには真っ白いジャケットに身を包んだカーネル・サンダースのような老バーテンダーがおり、出されたシングルモルトが虚しい心に沁みわたる…。

そんなこんなで不思議な縁に導かれ、そこのバーテンダーとして働くことになった。

主人公「善十」と4人の美女たちによる酒と恋と不思議な体験劇場ここに開幕。

恋愛漫画界では言わずと知れた「いくえみ先生」の最新作。
本作も圧倒的文字量でぶん殴ってくるいくえみ節全開。

俺はまったく酒飲まないし、お洒落なバーって行ったことないんだけど、そんなノンアルコール人間でもバーの疑似体験をできるくらいにはリアルに作り込まれていると思う。

また複雑な人間関係やバーの在り方を問われるのも本作の魅力である。

死んだマスターは、何を抱えていたのか？
常連客がこのバーに求めているものは？
バーと飲み屋の違い

など、商売人としての試行錯誤も描かれており、酒好きな人は二倍三倍楽しめそうな作品。

伝説のスラム街で起こるラブミステリー
【九龍ジェネリックロマンス】

1993年まで香港に実在したスラム街「九龍城砦」を舞台にした恋愛SFミステリー。
不動産屋で働く主人公「鯨井令子（32歳）」は、上司の工藤に惹かれている自分に気づく…。

と同時にこの街では、不思議なことがいくつも起きていた。

万年メガネ生活だったはずの「鯨井」の視力が当然見えるようになったり、街の上空には「ジェネリックテラ」と呼ばれる人工的に作られた地球が存在し、まったく記憶にない自分とそっくりな人物の写真など…。

その他にも、謎が多く存在し、SFミステリー要素がふんだんに散りばめられている。

また本作は「恋は雨上がりのように」で、一躍有名になった「眉月先生」の最新作でもあり、読み始めたら止まらなくなるストーリー展開は、相変わらず健在だ。

面白い、いや面白すぎる。
この作品はぜひネタバレを見ずに読んでほしい。

謎が謎を呼び、ミステリー好きの方は、間違いなくハマるだろう。
九龍の街で一体なにが起こっているのか？
主人公は何者なのか？
工藤さんとの関係は？

など、4巻時点でもまだまだ分からないことも多く、今後が非常に楽しみ。

ぶっちゃけ恋雨も普通に面白かったけど、あくまで大衆向けの作品である。
まさかこんな捻りのあるストーリーを練れることに完全に面食らった。

と同時に、恋雨という大衆向け作品でまき餌をし、大量にファンを獲得。
そして本命の「九ジェネ」で、自分の書きたいことを書くという戦略だったのではないか？とさえ思えるほど、完成度が高い。

巻数を重ねるごとに、面白さが加速していく2021年も目が離せない作品。

女性の本音に大爆笑不可避
【深夜のダメ恋図鑑】

本作は3人の女子たちによる男への不満や愚痴の総編集である。
基本的には、ダメ男共がボロッカスに言われるのだが、1つ1つの話に現実味があり、非常に面白おかしく読める。

女性の恋愛模様や価値観を現代にリンクさせ、オムニバスとして表現する作品は数あれど、これほど完成度が高く、悪口に振り切っている作品は珍しい。

男の俺が読んでも共感し、兜の緒を締めるキッカケになるほど、ダメンズの描き方とギャグのバランスが図抜けている。

中には頭にきてしまう男性諸君もいそうだが、そこは柔軟に「なるほど、女性はこう思っているのか」と真摯に受け止めるしかないだろう。

オムニバス形式だから、サクサク読み進められるし、つまらない巻が1つもないってのが素晴らしい。
特に、元ヤン「円」と常識人「佐和子」の論破ぶりは爽快である。

例えば、同棲している彼氏が休みの日、彼女が仕事から帰宅すると、朝食の皿がそのままテーブルに置いてあり、家事を一切せず「俺疲れてんだ〜」アピールする男には

ねぇねぇ、諒くんて何して疲れてんの？
もしかして”仕事だけ”してそんなに疲れてるの？病気？
あたしは仕事に家事に”オマエの世話”で疲れてるけど…

と、女性に任せっきりの不甲斐ない野郎をぶった斬る。

まぁ今どき、ここまでアホな男は少ないと思うけど、亭主関白だの、男尊女卑だの古くせぇ価値観をいまだに掲げている野郎はボコボコにされるつもりで読んだほうが良いかも。

恋愛漫画でここまで爆笑したのは、久方ぶりなので、定期的に読み返したくなる殿堂入り作品。

結論
大人男性におすすめしたい恋愛漫画は
エロの向こう側にあった

以上、2021年男性におすすめしたい恋愛漫画を5作紹介した。

エロくない分、ストーリーは激烈に面白いので、どれも非常におすすめである。
またそれぞれの良さがあり、笑いたいのか、考察したいのか、など自分の特性に合わせて選択するとよいだろう。

表紙
タイトル	あそこではたらく ムスブさん	明日、私は 誰かのカノジョ	おやすみカラス また来てね。	九龍 ジェネリックロマンス	深夜のダメ恋図鑑
巻数	連載中：6巻〜	連載中：16巻〜	連載中：7巻〜	連載中：9巻〜	完結：10巻
試し読み	→1巻を読む	→1巻を読む	→1巻を読む	→1巻を読む	→1巻を読む

その他の恋愛漫画はコチラ