弱肉強食……俺がこの言葉を覚えたのは小学生の時だ。
学校で習ったわけでも、塾で教わったわけでも、親から聞いたわけでもない。
「るろうに剣心」という漫画を読んで知った言葉である。
しかし当時はこの言葉の意味を理解していなかった……。
大人になって、社会に出て、初めてこの言葉の重みを知ることになる。
そしてこの言葉を世に広めた男こそジャンプ史に残る悪のカリスマ「志々雄 真実」だ。
当記事では、なぜ「志々雄 真実」こそがジャンプ史上最高&最強の敵キャラだと思うのか?
その魅力や他のキャラとの違いを全力で語ろうと思う。
当記事でいう最強とは比喩であり、他作品のキャラと比較してという意味ではない。
※以前書いた鬼滅の刃の無惨がダサ過ぎる件に対してのアンサーでもあるので、ぜひ読み比べてみてくれ。
- 作者:和月 伸宏
- 出版社:集英社
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 発売日:1994-09-30
- 完結:28巻
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目次
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志々雄真実が他の敵キャラと圧倒的に違うところ
ジャンプの名作には魅力的な敵キャラがたくさんいる。俺はそいつらを大きく3つのタイプに分類した。
当記事でいう敵キャラとは、モブレベルは除く。
悪・オア・ギャグとは?
\動画再生時間:17秒/
やってることは非道そのもの。作中での戦闘能力やカリスマ性も申し分ない。
しかし、冷静に見るとどこか抜けていたり、セリフの端端に、作者の遊び心が含まれているキャラを指す。
悪-オア-ギャグの例
- ディオ(ジョジョの奇妙な冒険)
- フリーザ(ドラゴンボールZ)
- サウザー(北斗の拳)
悪・オア・善とは?
\動画再生時間:13秒/
作中の前半で、悪として描かれているものの、後半の伏線回収や過去編により実は良い奴だったことが発覚するキャラ。
もしくは、序盤で仲間や味方だった者がのちに敵側に闇堕ちする場合を指す。
悪-オア-善の例
- 市丸 ギン(BLEACH)
- うちは サスケ(NARUTO)
- 仙水 忍(幽☆遊☆白書)
志々雄真実は悪・オブ・悪
©るろうに剣心|12巻
上記のようにジャンプの悪役とは、ヤング系雑誌に比べると、本来のターゲット層である少中学生男子の心を掴むように設計されている。
しかし「志々雄 真実」は違う。
弱者はすべて己の糧と考え、その強烈な信念は地獄に堕ちてなお、悪の覇者を目指すほどだ。
まさに悪の中の悪「悪・オブ・悪」なのである。
志々雄真実はどのようにして生まれたのか?
©るろうに剣心|11巻
戊辰戦争中、彼は”新政府軍側”として、”旧幕府勢力”の顔役を秘密裏に暗殺する剣客だった。
とはいえ新政府に協力していたわけでも、新時代のために命をかけていたわけでもなく、ただただ殺戮を楽しみ、己の力を誇示するサイコ屋。
旧幕府勢力に勝利した新政府は、自分たちの汚点を知る「志々雄」は都合が悪いと判断、銃撃し灯油をかけて焼き殺そうとした。
だが……地獄の業火に焼かれ、全身に大火傷を負うも彼は生きていたのだ。
そして自分を焼き殺そうとした明治政府への怨念と貧弱な日本への苛立ちで、自分が国を治める野望を抱き蘇る。
極悪人とはいえ、ストーリーや動機がしっかりあるからこそ、志々雄は魅力的なんだよね。
一度見たら絶対に忘れない禍々しい風貌
©るろうに剣心|8巻
全身包帯だらけのミイラ男は、一度見たら絶対に忘れないインパクトがある。
いや、こんなイケてるミイラ男いるか?ミイラ界のキングだろっ。
連れてる女はクソ美人だし、ぶっちゃけ剣心より羨ましい。
あと過去編を読めばわかるけど、適度に包帯から飛び出してる髪の毛がデザイン的に重要だということ。
不思議なもんで包帯だけだと、間抜けな感じになってしまうのだ。
それまでのストーリーを無視した規格外の強さ
©るろうに剣心|16巻
敵の精鋭部隊を壊滅させた剣心一向は、最後の闘場「大灼熱の間」にて、志々雄と対峙する
初戦:剣心
「ガゴォ、べキィ、ボッ、シャアアアッ!!、ガッ、ベリッベリ、ボッ」
9分と53秒で勝利。
二戦目:斎藤
「ガッ、ッシャアアアッ!!、ドウッ」
二撃で勝利。
三戦目:左之助
「ドッ、ドォン、ドギャアッ」
一撃で勝利。
四戦目:蒼紫
「ガキィガキィ、ゴ、メキィ、ガシュッ」
四撃で勝利。
漫画だとあまりにも強すぎて味方が瞬殺されてしまったため、アニメ版だとかなり脚色されている。
師匠の存在を除けば、最強だった剣心をはじめ、これまでの最強ライバルオンパレードを相手に軽〜く4連勝。
こちら側は全員負傷していたとはいえ、当時の小学生を絶望させるには十分な破壊力だった……。
けっけっ剣心がこんな簡単に?
がっがっ牙突零式を素手で?
ふっふっ二重の極みでノーダメージ?
かっかっ回天剣舞・六連を肘打ちで?
その後、剣心が目を覚まし、第二戦が開幕。
©るろうに剣心|17巻
常人なら即倒レベルの5連撃を叩き込むも「どうした、それで終いか!!?」と余裕のタフネス。
さらに飛天御剣流の中で二番目に強力な神速の九連コンボ「九頭龍閃」を食らわすも、ほとんどダメージを負わずに立ち上がる怪物ぶり……。
そして最終局面へと移る。
志々雄 真実は攻撃面でも無双、耐久力でも無敵という規格外の強さで読者を魅了した。
剣心が唯一倒しきれなかったのは志々雄真実のみ
©るろうに剣心|17巻
ジャンプは、なんだかんだ最後は主人公が悪役をぶっ倒すってのがセオリー。
だが志々雄戦は、人体発火して自滅するという敵の勝ち逃げで終わる。
(作者の思入れが強すぎて殺したくなかったってのも有名な話)
前章では志々雄の圧倒的な強さに触れたが、その秘密は全身の大火傷により汗をかく組織をほぼ失っているため、身体の中に異常体熱を宿しているからだ。
蒸気機関が、ボイラーで発生させた蒸気を熱エネルギーに変換するようなことが身体の中で常に起っている。
その熱エネルギーこそが、常人ならざるパワーを生み出しているのだ。
反動として、発汗による体温調節ができないため、身体の中の熱が高まり続け、15分以上動き続けるのは危険とされている。
最後の戦闘では、絶対時間を超えた身体が熱に耐えられず、人体発火して炭になってしまった……。
この時の体温は100度を超えており、もしあと数分身体が持てば、剣心が負けていたのは明白だったろう。
志々雄真実の名言は悪魔的にブッ刺さる
©るろうに剣心|16巻
どんな漫画でもカリスマ性のあるキャラとは、必ず名言を残している。
しかし志々雄 真実は、名言「ドンッ!!」ではなく、普通の会話の中から突き刺さる言葉が出てくるタイプだ。
また、アニメ版もぜひ見てほしい。漫画派の俺としては、基本的に原作がメタクソ面白い作品だと、アニメがそれを超えてくることはない。
ただし、るろ剣は例外で「主題歌・BGM・演出・声優・作画」などすべてが揃った神アニメであり、原作力の高い漫画を超えてくる数少ないアニメだ。
\動画再生時間:1分41秒/
「るろ剣」知らない人は、上の動画だけでも見てみてくれ。
マジで鳥肌立つから。
俺が好きな志々雄真実のセリフ集
©るろうに剣心|9巻
本当にいい男はどんなになっても女の方から寄って来る
引用:るろうに剣心:9巻(37ページより)
全身に大火傷をおった包帯だらけのミイラ男でも、吉原一の花魁を落とせるのは、コンプレックスを持つすべての男性に夢を与える。
©るろうに剣心|9巻
幕末ってのは、戦国時代以来300年を経てやって来た久々の動乱なんだぜ、そんな時代に生まれ合わせたのなら天下の覇権を狙ってみるのが男ってもんだろ
引用:るろうに剣心:9巻(38ページより)
この時代ならマジでワンチャンあるから怖いところ。
自分に圧倒的な力と金と組織力があったら、血がたぎるだろうなぁ。
©るろうに剣心|11巻
人の本性は修羅そしてこの現世こそ地獄
引用:るろうに剣心:11巻(116ページより)
元人斬りから流浪として弱者を救うようになった剣心や黒い部分を隠しキレイゴトをほざく明治政府への当て付け。
2020年になっても戦争が止まないところをみるに、見方によっては現世が地獄ってのは今も変わらない。
©るろうに剣心|12巻
志々雄真実の隙が最大の原因だ!
引用:るろうに剣心:12巻(183ページより)
全財産の五分の三をつぎ込んだ巨大戦艦「煉獄」をたった3人に一夜で沈没させられた時のセリフ。
普通だったら気が狂いそうな場面だけど、冷静に剣心の読みの鋭さ、斎藤の判断力を分析し、嘆く配下に「俺の責任だ」と言い切るのはマジで震える男気。
普段はクッソ鬼だけど、ここぞという時は責任転嫁しないし、感情的にブチ切れないのは完全にトップの器。
こんな上司なかなかいないぜ?
©るろうに剣心|13巻
貴様の覚悟の程しかと見届けた、以後汚れ役は全て任せる、その代わりお前には常にいの一番に勝利を味わわせてやる、この俺の傍らでな
引用:るろうに剣心:13巻(81ページより)
この前に参謀の方治と意見の対立があって、方治の覚悟を試すため自分のケツを拭かせるんだけど、その時の罰として方治は自分の爪を7つ噛んで引っぺがした。
それを見て志々雄が折れた貴重なシーン。
配下の意見でも覚悟を示せば聞き入れるところにマネージメント力の高さを感じる。
ちなみに、本編で独尊道まっしぐらの男が折れたのは後にも先にもここだけ。
©るろうに剣心|16巻
所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ、どんなに上手に嘘の作り笑いをした所でこの真実からは逃れられねェぜ
引用:るろうに剣心:16巻(38ページより)
なんでも笑ってやり過ごそうとしていた少年に放った言葉であり、俺自身が一番好きな言葉でもあるため次章で詳しく語る。
©るろうに剣心|17巻
油断?何のことだ?これは余裕というもんだ
引用:るろうに剣心:17巻(16ページより)
斎藤が確実に仕留められると踏んで放った必殺技を、超近距離で交わした後にでた言葉。
ピンチで追い詰められた時に言ってみたいセリフNo.1。
©るろうに剣心|17巻
かかってくるなら、この如何ともし難い実力の差をちったぁ埋めてからかかって来いッ!!
引用:るろうに剣心:17巻(19〜20ページより)
俺の嫌いな左之助をワンパンで沈めた時に放ったセリフ。
くだらねぇことでマウント取ってくるアホに遭遇した時、この言葉を心の中で唱えると、スッと気持ちが落ち着く。
©るろうに剣心|17巻
てめぇのものさしで語るんじゃねぇよ、コイツは誰より俺を理解し、俺は誰よりコイツを理解している
引用:るろうに剣心:17巻(119ページより)
死にゆく彼女に捧げた言葉……。
このセリフの真意は、本編だけでなく、志々雄の外伝「裏幕ー炎を統べるー」を読むことで理解できる。
- 作者:和月 伸宏
小説:黒崎 薫
- 出版社:集英社
- 発売日:2014-10-02
- 完結:1巻
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志々雄一派のNo.2宗次郎との秘話が最高
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©るろうに剣心|16巻
志々雄を語るうえで絶対に外せないのが側近の「宗次郎」というキャラ。
彼の詳細については本題とズレるので割愛するが、宗次郎との出会いを語らずして、志々雄を語るのはナンセンスだ。
二人の出会いは約10年前、当時の宗次郎は、妾の子として米問屋のクソ大人どもに虐待されパシリにされていた。
それはそれは酷いもので、8歳の子供に一俵60kgもある米俵を1日100個運ばせる労働を強制し、できなければバチボコに殴られる日々。
飯もろくに与えられず、家にも入れてもらえず、外で寝泊りをするガチのホームレス小学生。
そんな時、政府に追われていた志々雄をたまたま米蔵で匿うことになる。
食い物と包帯と引き換えに生かされた少年は現状を打ち明けた。
©るろうに剣心|16巻
少年はどんなにボコられても笑っている……。
聞けば最初は怒ったり泣いたりしてたけど、余計にエスカレートするから笑って呆れてもらうという子供なりの自己防衛だ。
そしてこう続ける「仕方ないよね…兄弟といっても僕はこの家の本当の子じゃないから悪いんだ…」
それに対し志々雄は
「違うな、生まれがどーのこーのじゃねェ、お前が弱いから悪いんだ、所詮この世は弱肉強食、強ければ生き、弱ければ死ぬ、どんなに上手に嘘の作り笑いをした所でこの真実からは逃れられねェぜ」
そして一本の脇差を授けた。
しかし宗次郎は悩んだすえ、僕は強くなくていいから刀は返そうと決断する。
その矢先、クソ大人共から呼び出しをくらい駆けつけると、志々雄を匿っているのがバレてしまった。
スコップや木刀で血反吐を吐くほど滅多打ちにされた挙句、ついに刀を抜かれ本気で殺されそうになる……。
ここであの言葉が脳裏を過ぎる
「ツヨケレバイキ、ヨワケレバ……」
あまりの恐怖に絶叫し、無我夢中に逃げ出した。
「助けて!!誰か誰か……誰でもいい!誰か助けて!!」
それはそうだ、8歳の子供がポン刀振り回してる大人数人に追っかけられたら怖いなんてもんじゃない。
縁側の下に隠れて志々雄からもらった脇差を握り締め、ガタガタと震えていると、一人の大人に見つかってしまう……。
このままでは殺される……恐怖による錯乱状態が少年を覚醒させ、大人たちをぶった斬りまくった。
幸か不幸か米俵を毎日運んでいた脚力は異常発達し、常人ならざる身のこなしを身に付けていたのだ。
©るろうに剣心|16巻
この間志々雄は、真横の蔵にいるのに、普通にリンゴ←柿?をかじってるサイコ具合がまたヤベェ。
しかしこの弱肉強食こそ死ぬまで志々雄が貫いた信念であり、死にたくないならテメェで生き延びろという愛の鞭だったのだ。
結果として、宗次郎を救ったのは志々雄が教えたたった1つの真実だったのである。
この事実がのちに少年を苦悩させることになるが、この辺りの話も抜群に面白いので、気になる方は漫画もしくはアニメをみて見てくれ。
俺をいじめから救ったのは志々雄真実の摂理だった……
©るろうに剣心|16巻
実は小学生の頃、いわゆるジャイアンみたいな奴にいじめられていた。
そんな時リアルタイムで見ていたのが、先ほど紹介した「宗次郎」の虐待シーン。
当時の俺も意味もなく殴られ、おもちゃは取られ、お菓子を買わされていたので、既視感が半端なかったんだよな。
小学校スクールカーストの底辺にいた人間にとって、喧嘩が強い奴は恐怖でしかない。
内心では誰かに助けて欲しいといつも願っていた。
先生とか親とか。
でもいざいじめられてみると簡単には言えねぇんだよ。
子供ながらにダサいってのもあったし、恥ずかしいって気持ちもあったし、何より心配かけたくないわけ特に親には。
よくいじめが原因で自殺した子とかに「なんで言わなかったの?」みたいなこと平気で言ってる奴いるけど、コイツらいじめられたことねぇんだろうなぁっていつも思ってる。
そんな絶賛リアルいじめられ中に読んだのが「所詮この世は弱肉強食・強ければ生き弱ければ死ぬ」っていう志々雄の言葉。
当時は小っちゃいし、気弱だからって、自分に言い聞かせてたからマジでグサッときた。
だから次にいじめられた時、手のひらサイズの石で頭を思いっきりぶっ叩いてやった。
そしたら相手は大泣き。
あの時のなんとも言えない興奮した気持ちは今でもハッキリ覚えてる。
頭から血出てたから今考えるとちょっと危ないけど、いじめてる奴らは殺される覚悟もしとけよ?ってのは今でも変わらないなぁ。
実際、いじめの仕返しでこういった事件もあったしね。
もちろん暴力を推奨するわけじゃないし、今なら志々雄がやってることも弱者を糧にしてると理解できるよ。
けど当時はそういう理屈じゃなくて「やらなきゃやられるだけなんだっ」って単純に受け取ったんだよね。
そんで、それが俺を救ったってのは事実なわけ。
こういった経緯もあるから俺の中の「志々雄」はただの漫画キャラじゃなくてバイアスかかりまくり、絵子冒頭しまくりの悪のヒーロー。
ジャンプの悪役頂上決戦・志々雄真実とメルエムの違い
©るろうに剣心|17巻
©HUNTER×HUNTER|24巻
ジャンプで純粋なまでの悪キャラならHUNTER×HUNTERの「メルエム」も忘れてはいけない。
母親の腹を突き破って生まれてくるというエキセントリックな登場に加え、生まれながらに王の気質を備えている悪の化身。
ちっとでも気に入らなきゃ同族もペシっと瞬殺、人間は軽く触れただけでコナゴナにしてしまうほど最強の蟻。
途中までは、コイツは俺のジャンプの悪役歴史が塗り替えられるかもな〜と読んでいた。
しかしメルエムには致命的な弱点がある。それは生後間もないため、経験値が足りないこと。
頭脳や身体能力は常人を遥かに凌駕する速度で成長していたが、脳に余白がありすぎるが故、外部の影響も受けやすかったのだ。
もともとメルエムにとって人間は家畜同然、なんの感情も持ち合わせていない。
ある時、暇つぶしに将棋や囲碁のチャンピオンを呼び出し、デスゲームを始めた。
ここでもルールブックを一読し、数局打つだけで勝ってしまうバケモノぶりを見せる……。
そんな中、コムギという盲目の少女と出会う。
彼女は軍儀という競技の世界チャンピオンだった。
将棋や囲碁と同様に、盤上で行う作中オリジナルゲーム
いざ対局してみると、何度やっても勝てない。
今までとは明らかに違う状況に困惑……次第に少女に興味を抱く……。
この出会いをキッカケに王メルエムは、人間そのものにも興味を持ち始め、共存できるのではないか?と考え始める。
そして最後の最後にはまるで赤子のようにベビー化してしまう。
©HUNTER×HUNTER|30巻
もちろんこのストーリー自体はめちゃめちゃ面白いが、純粋な悪という視点だけで見た時「悪・オア・善」よりであり、死ぬまで悪を貫いた志々雄 真実に軍配が上がる。
結論:志々雄真実はジャンプ史に残る悪のカリスマ
以上、志々雄真実の魅力と他の悪役との違いについて語ってみた。
ぶっちゃけかなり私情入ってるから、比較の公正さに欠けるかもしれないけど、自分のエピソードを抜いてもカリスマ性は十二分かなと。
特に大人になってから読むと、キレイゴトを言わない志々雄の魅力はより際立ってると思う。
※以前、鬼滅の刃の無惨はダサいと書いたら「そんなことねぇ」ってコメントがいくつか届いたので、ぜひ今回の記事と読み比べてほしいところだ。
Google相手に国とりだ。コロナで広告料削減を恐れて、5月のアプデでは企業や公式に力を貸したが、収束したら今度はそうはさせねぇぜ。
よければあなたのジャンプでおすすめ悪役キャラについても教えてくれ。
- 作者:和月 伸宏
- 出版社:集英社
- 掲載誌:週刊少年ジャンプ
- 発売日:1994-09-30
- 完結:28巻
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コメント一覧 (10件)
鬼滅記事にもコメントを投稿させていただきましたが、こちらにも。
私が「志々雄真実」を知ったのはTVアニメのオープニングの冒頭…シルエットになっている剣心のバックに次々とライバルキャラクターが登場するところです。
刃衛・蒼紫・隠密御庭番衆の四人・雷十太・斎藤と登場する中で、一際異彩を放つ包帯男が…。
それこそが志々雄真実でした。
丁度、原作を知らずアニメを観始めたのは原作9巻の新月村辺りということもあり、自分の中では「るろ剣」のライバルキャラ=志々雄でしたね。
「弱肉強食」という言葉を知ったのは志々雄からとの事ですが、私の学生時代のクラスの女子も同じでした。
「るろ剣、女子も読んでんだなぁ…」と発見があったのと同時に、志々雄の影響力の大きさも感じさせられました。
るろ剣好きの当時のクラスメートが部活で先輩に呼び捨てにされた時、志々雄の真似をし「“君”ぐらいつけろよ 無礼な先輩だな」と絡んでシメられた事も。
(彼の兄が部長だったのと上級生に知り合いが数人居たので馴れ馴れしく接したら、他の部員に示しがつかないと制裁されていました)
担当声優の池田政典さん(ジャンプ作品では、「家庭教師ヒットマンREBORN!」のXanxusを担当)の演技もはまり役でした。
「てめぇのものさしで語るんじゃねぇよ…」の台詞は子供心に染みました。
人各々の価値観があるという事をこの言葉で学びました。
歴代のジャンプヒーロー達が集う対戦アクション「ジェイスターズ ビクトリーバーサス」や「JUMP FORCE」にも主人公・剣心と共にるろ剣枠で参戦した姿は光と影を想起させられました。
(両作品共にジャンプ作品の垣根を越えた掛け合いが面白いゲームです)
ちなみに、私の中で強烈なインパクトの敵キャラは「魔人探偵脳噛ネウロ」の絶対悪「シックス」です。遊び半分で任務失敗の罰として部下に自害を命じたり、0歳時に1人で新生児数十人を殺害、2歳時に母親・5歳時に父親を亡き者にする等悲しい過去を一切持たず、ただ嫌われるためだけの存在として描いたとされ、人間の悪意という悪意を煮詰めたようなキャラクターは流石といった感じです。
好きなキャラではありませんが、ネウロ完読後も脳裏にこびりついた存在でした。
鬼滅の無惨もこれくらい描写をしてくれたら悪役としての評価は変わっていたと思います。
(自分の意思で鬼になっておらず、輸入される物品・外国の言葉・新しい機械などを学ぶ事が趣味、苦手に感じる鬼にも実力を評価する、産屋敷の妻子を巻き込んだ自爆に困惑する等無惨は人間臭い部分が多いと感じます)
面白い記事を有難うございました。
あと気になりましたが、「普通にリンゴをかじってる」の部分ですが、柿ではないでしょうか?
それと「【鬼漫画おすすめ5選】鬼滅の刃にハマらなかった人へ贈るラブレター」の記事で、約ネバの「模索するというこうとだ」と結論の「購入したている」、そして「【格闘技漫画 面白いおすすめランキング】競技別最強ベスト5はこれ」の記事のセスタスの「どれほど他社に憧れたとしても」の「他社」は誤字だと思います。
長々と拙文を失礼致しました。
ヲレンヂ様
こちらにもコメントありがとうございます。
あれ?これ柿?カキナノカ?今書き直してきます。
それと誤字脱字報告まで、ありがとうございます。
しっかり読み込んでくれたようで、歓喜の涙が…。
推敲は私1人でやっているので、またおかしなところがあればご指摘いただけると助かります。
初めてこのキャラを見た時?いや知った時(実写の映画ですが)私の感性が幼かったこともあり、ただただ強くて嫌な奴だと思っていましたが、やっぱり当時の私はガキでしたね、一発殴ってやりたい。
知れば知るほど魅力溢れるキャラクターだと、最近になって気付くなんて。
実写版を見ただけなので、あまり知識はありませんでしたが、これを機会に単行本を買って読んでみようかなぁと思いました。ただ強い、ただ悪い、ただかっこいいいの子供だましの悪役とは、違う彼の魅力を感じ、なにか新発見があれば、この場でまた語ります。
カリスマ性のある悪って難しいですよね。ぱっと思いつくところだと、HELLSINGの少佐とか、PSYCHO-PASSの槙島聖護とか…
広義の『悪』という意味では、ヨルムンガンドのココ・ヘクマティアルもそういう枠組みになるんでしょうかね?
非常に遅れたというか今更ですが
志々雄真実的な魅力のキャラっていうと匹敵するのはいないでしょう。それだけだとなんでこんなに時間置いた?となるので悪オブ悪を挙げていきたいと思います。ただ、多少悪に愉悦を感じてやってるってだけな気もしますけど。
まずはヒロアカのボスのオールフォーワンとシガラキを挙げておきます。
ただシガラキの方は最初はワガママな敵意を振りまきたいだけなクソガキに近くて、段々と成長していくキャラなので最初見たら「なんだコイツ?」としか思わない可能性も大。
オールフォーワンはシガラキの師でもあり、主人公の師匠であるオールマイトへの嫌がらせの為に、更にオールマイトの師匠の家族であるシガラキを闇に落としたって書くと超小者なんですが、愉悦の為に悪意をばら撒き、その結果自分が死ぬ事も受け入れているってのと圧倒的な能力ゆえか何故かカリスマがある。
やっぱカリスマって自分の命より野望に命を賭けられるってのと、その事を平気で口に出来るのが必須だと思うんですよ。
その点、オールフォーワンは堂々と「自分は嫌がらせを全力でする性格だ」と言えるという点ですかね。
シガラキは悪意を振りまく事に命を賭けるようになってからか、仲間の事は信頼するようになってからか、世界を崩壊させる為には無謀な戦いにも挑んでからか加速度的に魅力的になってきました。
この作品でカリスマ悪役扱いの1人にステインというのがいますが、個人的にはコイツは熱量はあるけど自分勝手な間違った考えを大義と称して世間にぶつけているだけの敵って感じがして好きではありません。悪なら悪と断言しないと。
他には呪術の真人。主人公に目をつけると、勝つ自信はあったのに歪ませる為に友人を死なせるというカスっぷり。
なんですが、自分の命にも頓着しないというのが加点。
ブラッククローバーの今の敵は単純にクズって感じですが、主人公の師匠を強さは自分より上と認めたのだけ加点。
チェンソーマンはネタバレになると物語の驚きが崩壊するので書きませんが、多分ヤバイという意味ではトップの作品じゃないでしょうか。この4作品が悪オブ悪の敵ですかね。
どれも志々雄真実というよりはワンピースのクロコダイルに近い気がしますが。
ワンピースのオロチは悪オブギャグ、カイドウはたまにカリスマのカケラが見えますが、カリスマの根源は単純な強さってキャラなので。回想では当時はまだそこまで圧倒的ではなかったのか汚い手を使ったりしてますし。作品は面白いけど、今の章には特別なカリスマの敵はいない感じ。
ワンピースの悪オブ悪のカリスマ敵はクロコダイル、エニエスロビーでのルッチ、マゼランあたりだと思ってます。
他の作品は敵にカリスマは特に感じないですね。近年の作品は敵はぶっ倒してもいいよって扱いでカリスマはそんな持たせてないのが多いです。
あと今の連載陣は半分以上が1年未満なので。
鬼滅と同時期に終わったゆらぎ荘というエロコメには悪オブギャグはいますけど、正確には倒した後にギャグ化して面白くなったであって敵のうちは不快なのが多いですし。ヒロインの1人カルラというのが主人公を2年間ストーカーが変化の術で身動きできなくして誘拐してとかやっていて元から敵オブギャグしてましたかね。部屋は主人公のグッズで溢れかえり、主人公抱き枕も用意して、変化で動けない主人公を胸に挟んで入浴する姿はまず笑いが来ました。
エロ入れまくるせいで過小評価されますが、バトル理論はちゃんとしてたり、主人公は(ある程度進んでやっと分かりますが)相当魅力的なキャラです。現実離れはしていますが。
ワールドトリガーは敵には敵の事情があるってタイプなので悪オブ悪という分別の敵はいないですし、カリスマっていうと味方キャラのが多いので魅力的な悪というと微妙ですが、エネドラというのが悪オブギャグをやってくれますね。ある設定で人死にが非常に出にくい中で上司の命令を無視して何人も殺したという作品でもっとも憎まれるべき敵なはずだったんですが、殺された後に戦闘力皆無の体にされてるのは本当に笑いました。
あと一時的に味方になるヒュースというのが捕虜になってから味方にいじられたり非常に面白いです。カリスマとは違う気もしますが。
ナッシー様
おぉいろいろありがとうございます。
そうですかぁ、やはり「志々雄真実」に匹敵するカリスマはいないんですね。
たくさんコメントをいただいたので、これから鬼滅コメント抜粋の記事に載せておきます。
志々雄真実の魅力は紛れも無い悪なんだけど、一片のブレもなく自分の道を貫き通しているって事ですよね。
それでいて宗次郎のエピソードのように恩を感じたら自分の信念に沿った形で恩を返したりする、人間らしさがある。
悪だから悪なんて単純なものではない深味がある。
ナッシー様
またまたコメントあざっす!
カリスマ性ありますよね。
私はジャンプ現役でないのとかなり志々雄バイアスかかってるので、どうしても公平性に欠けてしまいます。
ナッシー様は、ジャンプ現役?というかめちゃ詳しそうなので、最近の奴とかコイツもヤバイぜなどあればぜひ教えてくださいませ〜。
いいですよね、志々雄真実。私も大好きなキャラクターです。
包帯で顔も何も判らんけどもそんなこと関係なく男前。良心など欠片ほども持ち合わせていない純然たる悪なんだけれども、とにかく粋で魅力的。
ただ弱いだけの人間なら気に留める事もなく踏み潰すでしょうが、弱い所から這い上がろうとする気概がある者には相応の評価をくれるから、弱い自分でも『こいつは見込みあるな』とこの人に認められたいと思ってしまう。…究極の人たらしですよね。
最強というとジャンプ内で強さのベクトルがそれぞれ違うので(そういう意味で言われている訳ではないのでしょうが)比べるのが難しいですが、カリスマ性という点に関して語られるならば私も間違いなく志々雄真実が最強最高だと思っています。
少し逸れてしまいますが、幽遊白書の雷禅がもし敵キャラとしてガッツリ登場していたなら志々雄真実とかなり良い勝負になっていたのでは?と思います。(雷禅の方がもう少し感情派で一匹狼気質のような気もしますが…)
さんかく様
おぉ、鬼滅記事にもコメントくれましたよね。ありがとうございます。
そうそう、ちょうど記事書いてる時だったんで、志々雄ネタタイムリーでした。
やっぱ女性から見てもカッコイイっすよね。男の憧れですよマジで。あと「究極の人たらし」って表現イイっすね。どっかで使おっと。笑
雷禅は名前の語感からして反則。三大妖怪の中でダントツイケてる。でもおっしゃる通り、組織力とかコミュ力は低そうですよね。
あとはストーリーの濃さかなぁ。志々雄はガッツリやってくれたんで、今見ても普通に楽しめます。むしろ大人になってからのが魅力が増してるかも。